SGH 【2016インタビューシリーズ4】合志先生(情報科)・中村先生(社会科)

『インタビューシリーズ』はSGHガイドブックチーム(詳細はこちら)が
2016年12月にインタビューした内容を記事にしたものです。

~~~~~

「関西学院千里国際(SIS)のSGHって何だろう?」
この問いに答えるために、結成したSGHガイドブックチーム。
第4回目は情報科の合志先生、社会科の中村先生からお話を聞くことにしました。

合志先生の授業  〜21世紀型スキル〜
きほ:グローバルリーダーを育てる観点からみて、先生方はどのような授業をなさっていますか?

合志先生:情報科では、世界に通用する力を習得させるために、21世紀型スキルを身に付けるための方法、 PBL(プロジェクトベースドラーニング)、PBA(プロジェクトベースドアプローチ)を授業に導入してます。つまり、「単にこれやりなさい」とか「ワードの使い方はこうですよ」で終わらずに、みんなでプロジェクトに取り組みます。それには2ついいことがあります。1つ目に、生徒達は自ら調べて、考えて、失敗もして、学んでいくこと。2つ目に、みんなでプロジェクトに取り組むわけですから、生徒達は協働を意識するようになること。自分の意見ばっかり押し通してもダメで、他の人の意見も尊重しないといけないことに気付くと思います。あと、情報モラルとかも教えています。それと、プレゼンでは文章だけではなく、絵、アニメーションなど、色々な表現の仕方を身につけられるように授業を構成しています。


こうき:なるほど。生徒にはどんなグローバルリーダーになって欲しいですか?


情報の授業中の合志先生:デバイスや紙と鉛筆を活用して作品を作り上げます。
合志先生:想像力 、表現力、論理的思考力をもって問題解決ができる。自分の責任をしっかり果たしながら協働できる。あと、リーダーシップ、技術的には情報活用、メディアリテラシー、ICTのリテラシーを身につけて欲しい。

グローバル  と  中村先生の授業  〜原爆〜
こうき:中村先生はどのような授業をなさっていますか?グローバルリーダーを育てる観点からみて。


中村先生:社会科は科目自体がグローバルを意識してます。特に野島先生がやってる比較文化がそう。その授業とかで、発表する力、レポートを書く力とかを身に付けられるようにしてる。あと、多面的に物事を捉える力とか。


こうき:多面的に物事を捉えるとは?


中村先生:例えば、アメリカ側と日本側では真珠湾攻撃の見方とか、広島の原爆の見方とかが違う。原爆に関しては、アメリカ側は「戦争を早く終わらせたんだ」という感じ。日本側は、「非人道的だ」という感じ。見方は国によっても当事者同士でも違う。あと、広島に原爆が落されるまでの経緯を調べてみると色々考えます。一方、被爆2世から話を聞くとやっぱり非人道的とも思いますね。色々なことを調べたり勉強すると色々な考えが知れます。それに、多面的に物事を捉える人とそうでない人では旅行の感想とかも全然違うでしょうね。


合志先生:アメリカの教科書はどうなってるんですか?


中村先生:州によって教科書が違って、同じ市のなかでも学校によって違います。


授業で生徒に語り掛ける中村先生
合志先生:そういえば、州によって進化論は教えてはいけないとかありましたね。

宗教学
まな:宗教学にはセンシティブな問題があるじゃないですか。そういう問題ってSISみたいなインターナショナルな学校だとさらに増えると思うんですけど、どうしていますか?


中村先生:一番最初の授業でそういう科目だと伝えておきます。自分は気を付けて話をしてるけど、嫌と感じたら言ってくれたらいい。自分は良かれと思って言ってるけど、聞いてる方は受け取り方が違うとかってありえるから。そういうスタンスで授業をやってるつもりでいます。
まな:なるほど。

SIS生へのアドバイス
中村先生:「なんで社会なんか勉強しないといけないの?」って言う人がいるけど、1つよりも2つ知ってたほうがいいでしょ。それに、海外の友達が日本に来た時、社会について知ってた方がその人を楽しませることができるでしょ。


きほ:そうですよね。もし外国人から日本について聞かれた時、ちゃんと答えられたら、その人と文化共有ができますしね。


合志先生:情報科では、英語が話せてプレゼンさえできていればOKと思っている人がいるけど、OKじゃない。知識がなかったら活用できません。

国際貢献という夢
合志先生:国際貢献をしたいという夢を多くの中学生が抱いています。「なんで?」って聞いたら「かっこいいから」。貢献というからには、奉仕の心がなければいけないと思います。単に自分が目立ちたいから、かっこいいからという理由だけで、国際貢献するのは少し考え直して欲しいです。


中村先生:それに、海外に行かなくても国際貢献はできます。この学校はすごいインターナショナルだしね。SIS生の方が多くの社会人よりも英語を使ってるそうですよ。


合志先生の課題に真剣に取り組む生徒
きほ:SOISでの当たり前がグローバルなのかも。


リーダーシップについて
合志先生:クラスとか学園祭とかスポーツデーとかでリーダーシップがとれなくても、授業になったらリーダーシップがとれる人もいますよね。みんなそれぞれ得意なところでリーダーシップをとってもらったらいいと思う。リーダーとはパイロットみたいなのだけではなく、それを支える人、つまり、影ながら全体を上手に調整してくれる人もリーダー。この学校は先頭に立ちたがる人が多いから特に大切。


中村先生:うちの生徒達、スポットライトを浴びることが多いから、僕はこの学校の生徒をスポットライト症候群って勝手に呼んでます。ASPとかでは舞台でライト浴びる人と、バックステージで衣装とかメイクやったりする人がいますよね。後者も大切。


こうき:裏方さんあっての舞台ですもんね。

中村先生:そうだと思います。あと、音楽にしろ、メイプルホールのコンサートとか、スポットライトを浴びて演奏できる。へたくそでも(笑)ここはいい部分でもあるんだけれども、それが当たり前と思ってたら問題。下積みも大切だからね。

ラストメッセージ
きほ:SIS生にラストメッセージをお願いします!


合志先生:SGHでは深くて主体的な学びができます。存分に活かしてください。


中村先生:内なる自分を見つめることからがグローバルの始まりだと思います。

きほ・こうき:先生方、ありがとうございました。