SGH【2016インタビューシリーズ5】レイ先生・水口先生(英語科)

『インタビューシリーズ』はSGHガイドブックチーム(詳細はこちら)が
2016年12月にインタビューした内容を記事にしたものです。

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「関西学院千里国際(SIS)のSGHって何だろう?」
この問いに答えるために、結成したSGHガイドブックチーム。
第5回目は英語科の水口先生、レイ先生(Mr. Ray)からお話を聞くことにしました。

To become good global leaders -open minded-
Koki: Hi. Ms. Minakuchi, Is there anything you do to make students to become good global leaders?

Ms. Minakuchi: In the case of G7 and 8 i Level Course, I recommend them to read a variety of newspapers and Internet articles. It is because I want them to open up their mind to the world and raise awareness about global issues. I also want them to gain deep thought to approach the issues. 





To become good global leaders -SOIS’s motto-

Koki: Is there anything you do to make students to become good global leaders, Mr. Ray?

Mr. Ray: A lot of courses, for example, MUN or Topics for today, deal with global issues. In those classes, we take a learner-centered approach where students are expected to come up with topics and to do analysis and to work together with partners or teams to create a presentation. These things require an amount of cooperation, flexibility, creativity, and resilience. For example, you have to communicate, or you have to deal with people who are absent.

Koki: I see.


Mr. Ray: We hope that by putting students in a situation where they have to solve problems and negotiate beyond the contents of the class, they develop independent problem-solving skills and resilience. This is related to the SIS English department's mission "Not just read well and write well but think well and communicate well." It has always been a goal of the English department even before SGH.


Importance of English -bilingual and bicultural-
Koki: Is English really important?

Mr. Ray: English is a shared language. We can see its importance in discussions where somebody from Japan and France get together and communicate in English.

Koki: I think it is not impossible to communicate without English. There are interpreters.

Mr. Ray: Sure, however, it slows everything down. And if you can’t speak English, the number of the places where you can play a role decreases, you have less control over communication and you don’t know if you are getting the information right.

Koki: I see.


Mr. Ray: English is a basic skill in the world. We use English to make things happen. Important keys to the goals behind SGH are not English. The keys are ways of thinking, attitudes about other countries and about how to get things done in the world. And I think the idea of resilience is more important.


Ms. Minakuchi: So we don’t say become bilingual to our students. We say become a bicultural person. The differences of culture and the behavior behind their language use stimulate our way of living.


Change -study abroad-

Ms. Minakuchi: Some SIS students haven’t got a chance to have an overseas experience. I hope they can get a chance to see the world outside Japan. There are new study abroad programs. For example, Tobitate gives financial support.

Mr. Ray: There has been a dramatic increase in the number of international programs. Partly, we are getting a new set of programs, and partly I think it’s the change in students over time. The number of students who need to start with the alphabet is decreasing.


Fumika: I think this is happening because students have more chance to interact with global community.


Ms. Minakuchi: I think so too.


Our English office is unique -collaboration-
Ms. Tsudaka: It is quite interesting that our school has native English teachers as well as Japanese teachers. Do you have any role taking by those teachers category?


Mr. Ray: The courses are divided in terms of contents and focus on form, but there is still a lot of overlap. So sometimes grammar topics come up in my class, even though my class is more focused on some other topic.


Ms. Tsudaka: You don’t really categorize people, but you try to collaborate.


Mr. Ray: That’s right. It happens because we’re all in the same room and we talk about students. If I have a class and students are having problems with some grammar issue, we discuss what to do.


Advice to SOIS students
Koki: If you were in SOIS in the age you were a high school student, what would your life be? If you have any advice to SOIS students, we want to know.


Ms. Minakuchi: Go out! Interact with lots of people in other countries as much as possible.


Mr. Ray: To people doing SGH, I think one really important thing is to think carefully about what you want to research because you're going to live with that topic for a long time.
And put enough work into it and make it really good because there's a possibility that research changes your life.


Fumika: I strongly feel that SGH changed my life when I finished taking SGH because I found my way to become the person I want to be through writing an essay.


Field study -reality of the world-
Ms. Tsudaka: Do you have any point that you want students to realize, out of the field study?


Ms. Minakuchi: I hope they will see the reality of the world. It is not always so wonderful, but we can’t tackle global issues without knowing it.

Fumika: I totally agree with your idea.

Koki: Thank you both for your kind cooperation!

SGH 【2016インタビューシリーズ4】合志先生(情報科)・中村先生(社会科)

『インタビューシリーズ』はSGHガイドブックチーム(詳細はこちら)が
2016年12月にインタビューした内容を記事にしたものです。

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「関西学院千里国際(SIS)のSGHって何だろう?」
この問いに答えるために、結成したSGHガイドブックチーム。
第4回目は情報科の合志先生、社会科の中村先生からお話を聞くことにしました。

合志先生の授業  〜21世紀型スキル〜
きほ:グローバルリーダーを育てる観点からみて、先生方はどのような授業をなさっていますか?

合志先生:情報科では、世界に通用する力を習得させるために、21世紀型スキルを身に付けるための方法、 PBL(プロジェクトベースドラーニング)、PBA(プロジェクトベースドアプローチ)を授業に導入してます。つまり、「単にこれやりなさい」とか「ワードの使い方はこうですよ」で終わらずに、みんなでプロジェクトに取り組みます。それには2ついいことがあります。1つ目に、生徒達は自ら調べて、考えて、失敗もして、学んでいくこと。2つ目に、みんなでプロジェクトに取り組むわけですから、生徒達は協働を意識するようになること。自分の意見ばっかり押し通してもダメで、他の人の意見も尊重しないといけないことに気付くと思います。あと、情報モラルとかも教えています。それと、プレゼンでは文章だけではなく、絵、アニメーションなど、色々な表現の仕方を身につけられるように授業を構成しています。


こうき:なるほど。生徒にはどんなグローバルリーダーになって欲しいですか?


情報の授業中の合志先生:デバイスや紙と鉛筆を活用して作品を作り上げます。
合志先生:想像力 、表現力、論理的思考力をもって問題解決ができる。自分の責任をしっかり果たしながら協働できる。あと、リーダーシップ、技術的には情報活用、メディアリテラシー、ICTのリテラシーを身につけて欲しい。

グローバル  と  中村先生の授業  〜原爆〜
こうき:中村先生はどのような授業をなさっていますか?グローバルリーダーを育てる観点からみて。


中村先生:社会科は科目自体がグローバルを意識してます。特に野島先生がやってる比較文化がそう。その授業とかで、発表する力、レポートを書く力とかを身に付けられるようにしてる。あと、多面的に物事を捉える力とか。


こうき:多面的に物事を捉えるとは?


中村先生:例えば、アメリカ側と日本側では真珠湾攻撃の見方とか、広島の原爆の見方とかが違う。原爆に関しては、アメリカ側は「戦争を早く終わらせたんだ」という感じ。日本側は、「非人道的だ」という感じ。見方は国によっても当事者同士でも違う。あと、広島に原爆が落されるまでの経緯を調べてみると色々考えます。一方、被爆2世から話を聞くとやっぱり非人道的とも思いますね。色々なことを調べたり勉強すると色々な考えが知れます。それに、多面的に物事を捉える人とそうでない人では旅行の感想とかも全然違うでしょうね。


合志先生:アメリカの教科書はどうなってるんですか?


中村先生:州によって教科書が違って、同じ市のなかでも学校によって違います。


授業で生徒に語り掛ける中村先生
合志先生:そういえば、州によって進化論は教えてはいけないとかありましたね。

宗教学
まな:宗教学にはセンシティブな問題があるじゃないですか。そういう問題ってSISみたいなインターナショナルな学校だとさらに増えると思うんですけど、どうしていますか?


中村先生:一番最初の授業でそういう科目だと伝えておきます。自分は気を付けて話をしてるけど、嫌と感じたら言ってくれたらいい。自分は良かれと思って言ってるけど、聞いてる方は受け取り方が違うとかってありえるから。そういうスタンスで授業をやってるつもりでいます。
まな:なるほど。

SIS生へのアドバイス
中村先生:「なんで社会なんか勉強しないといけないの?」って言う人がいるけど、1つよりも2つ知ってたほうがいいでしょ。それに、海外の友達が日本に来た時、社会について知ってた方がその人を楽しませることができるでしょ。


きほ:そうですよね。もし外国人から日本について聞かれた時、ちゃんと答えられたら、その人と文化共有ができますしね。


合志先生:情報科では、英語が話せてプレゼンさえできていればOKと思っている人がいるけど、OKじゃない。知識がなかったら活用できません。

国際貢献という夢
合志先生:国際貢献をしたいという夢を多くの中学生が抱いています。「なんで?」って聞いたら「かっこいいから」。貢献というからには、奉仕の心がなければいけないと思います。単に自分が目立ちたいから、かっこいいからという理由だけで、国際貢献するのは少し考え直して欲しいです。


中村先生:それに、海外に行かなくても国際貢献はできます。この学校はすごいインターナショナルだしね。SIS生の方が多くの社会人よりも英語を使ってるそうですよ。


合志先生の課題に真剣に取り組む生徒
きほ:SOISでの当たり前がグローバルなのかも。


リーダーシップについて
合志先生:クラスとか学園祭とかスポーツデーとかでリーダーシップがとれなくても、授業になったらリーダーシップがとれる人もいますよね。みんなそれぞれ得意なところでリーダーシップをとってもらったらいいと思う。リーダーとはパイロットみたいなのだけではなく、それを支える人、つまり、影ながら全体を上手に調整してくれる人もリーダー。この学校は先頭に立ちたがる人が多いから特に大切。


中村先生:うちの生徒達、スポットライトを浴びることが多いから、僕はこの学校の生徒をスポットライト症候群って勝手に呼んでます。ASPとかでは舞台でライト浴びる人と、バックステージで衣装とかメイクやったりする人がいますよね。後者も大切。


こうき:裏方さんあっての舞台ですもんね。

中村先生:そうだと思います。あと、音楽にしろ、メイプルホールのコンサートとか、スポットライトを浴びて演奏できる。へたくそでも(笑)ここはいい部分でもあるんだけれども、それが当たり前と思ってたら問題。下積みも大切だからね。

ラストメッセージ
きほ:SIS生にラストメッセージをお願いします!


合志先生:SGHでは深くて主体的な学びができます。存分に活かしてください。


中村先生:内なる自分を見つめることからがグローバルの始まりだと思います。

きほ・こうき:先生方、ありがとうございました。

SGH 【2016インタビューシリーズ3】見島先生(国語科)・間島先生(理科)

『インタビューシリーズ』はSGHガイドブックチーム(詳細はこちら)が
2016年12月にインタビューした内容を記事にしたものです。

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「関西学院千里国際(SIS)のSGHって何だろう?」
この問いに答えるために、結成したSGHガイドブックチーム。
第3回目は国語科の見島先生、理科の間島先生からお話を聞くことにしました。

先生が授業で大切にしてること
こうき:僕は先生のことをSISという色んな国から来た生徒達がいる所、いわば世界の縮小図でのグローバルリーダーだと捉えています。そして、グローバルラーナーとも言えるSIS生に授業で何を大切にして教えていますか?


見島先生:じゃあ私から。授業で大切にしてるのは個人の確立です。どういうことかというと、そもそも言語がないとものを考えられないし、考えたものを発信するのも言葉です。つまり、言語が考える基礎になり、表現のツールにもなるということ。なので、まずはしっかりした言語力を身につけて、物事を考える。そういう意味で言語は人が人であるために欠くことができない。って言うとすごく話が大きくなってしまうんですけど、そういう教科です(笑)


実験方法を優しく教えている間島先生
こうき:間島先生はなんですかね?授業で大切にしてること。

間島先生:理科の1番の醍醐味であり理科で目指しているのは、まだ世界で誰も発見した事のないものに対して自分がそれに立ち向かう研究です。それはたぶん日本にいようが、どこにいようが全世界共通です。そして、そのためには先人たちが築いてきた法則とかの知恵がある程度必要。法則とかを覚えるのは大変だけどね。で、生徒にはクリエイティブなことにチャレンジできる機会をいっぱいさせてあげないとそういう未知への挑戦に繋がらないと思うので、授業ではそういったことを重視してるし、みんなによくそう話してます。


言語が違うと思考が違う!?
見島先生:それで言うと、最近よく科学の分野で日本人がノーベル賞を受賞するじゃないですか。みんなノーベル賞受賞者は国際的な教育を受けてるって思いがちですけど、必ずしもそうではないらしいんです。で、『日本語で科学する』っていう面白い本があって、覚えてます?間島先生。


授業中の見島先生

間島先生:あーはい。めっちゃ面白かったから覚えてますよ。

見島先生:要は言語が違うという事は単に言語の違いではなくて、そもそもの考え方の違いに繋がってくるということで、日本語での思考と英語での思考では見えてくるものが違うということなんです。これがノーベル賞を量産している1つの理由ではないかと言われたりしてます。


間島先生:僕その話聞いてから生徒に聞くようになりました。考えてる時どっちで考えてる?って。そしたら帰国してすぐの子は英語だとか。


こうき:じゃあ、多くの国は一生懸命英語を習って英語の本とかを読んでるけど、母国語に訳された本とかの方がいいのかも。

効率と英語はそこまで大事じゃない!?
こうき:英語での思考からは生まれないであろう発想が日本語での思考から生まれるかもしれないということか。英語に統一するのも考えものだな。でも英語での方が効率が良さそう。


見島先生:いま効率って言ってくれたけど、私はそれが気に食わなくてね(怒)効率が良くないところに面白いものがあって、効率が良い勉強の仕方やアプローチなんかつまらないと思います。あと、英語なんてね、そんなに大事じゃないです(笑)喋れるに越したことはないんでしょうけど、英語喋れるからってグローバル人材ではないですよね。


実験の実演をしている間島先生
間島先生:言語より中身が大事だから学会とかでみんながネイティヴの先生みたいな発音で英語を話しているわけではないみたい。

ふみか:英語は一つのツールだと思います。


見島先生:大事なのは何を伝えるかですもんね。あと、英語を極めるのならいいけど、母国語をおざなりにしてどちらの言語も中途半端になってしまうと物事を考える深さはそのぶん浅くなります。


津高先生:文科省のリーダー的な方とかは、英語英語と言うことは違うんだよと言っていて、ただ、日本のいくつかのSGH指定校は英語でやらなければSGHではないと思っています。

インターナショナル?グローバル? 何が違うんだっけ?
間島先生:英語が必要なのはインターナショナルに置いてであって、グローバルにおいてではないですよね。


津高先生:そうですね。


間島先生:グローバルは世界的で、インターナショナルは国と国の間の事で、この2つの言葉は違う意味を持つのに多くの人は勘違いしてますよね。だから、相手の言葉や文化を理解しようするのはグローバルじゃなくてインターナショナル。グローバルとはそれをひっくるめたもの。ちなみに、さっき話した未知への挑戦はたぶん全世界共通だからグローバルですね。


解説中の見島先生
こうき:グローバルはインターナショナルをひっくるめてる言葉なのか。けど、境目が曖昧かも。

言葉への洞察
見島先生:「グローバル」と「インターナショナル」との違いに関連して少し横道にそれますが、カタカナ言葉にはご用心です。

というのも、外来語は意味がぼやけて、問題の本質を突き詰められないことがあるからです。あと、政府なんかが意図的に外来語とか略字を使ってターゲットをぼかしてしくる時もあるので、カタカナが多用されている時には騙されてないかとか、それを本当に分かって使ってるのかって考える視点は大切ですね。国語って地味な科目なんですけど、最終的にいろんな事に繋がってくるし、いろんな問題って実は言葉だったりするように思う。


ふみか:なるほど。


見島先生:まぁ人によって言葉の解釈が違うのは言葉の限界であり、宿命なんですけど、母国語でさえそうなんだから、外来語や最近出てきた言葉だと更に意味がぼやけますから注意した方がいい。

ふみか:気づかん間に外来語とかに影響されてるんですね。

生徒へのアドバイス 知識の遊び
こうき:生徒へのアドバイスをお願いします!


間島先生:うーん、みんな答えを求めてて、実験も成功しなきゃダメって思ってるけど、そんなことはあんまり大事じゃないのよ(笑)テーマを絞ってリサーチクエスチョンを作って計画立てたのにうまくいかないことはある。そこから改善しようと色んなことを突き詰めてほしい。ごちゃごちゃと面倒臭いこともあるだろうけど、うまくいかないものにアプローチをかける知識の遊びをしてほしい

こうき:知識の遊びか。


間島先生:シンプルに言ったら、A評価を取りたいなら、A評価を取るためにはどうしたらいい?って考えて、自分でいろいろ工夫して、結果でるかな?なんて試しながら頑張るみたいなことをしてほしい。


見島先生:結果を綺麗に出そうとあんまりせずに、好奇心をとことん追求してほしいね。

生徒へのアドバイス 「努力は裏切るけど無駄にはならない」
見島先生: けど、A評価目指して頑張ったからといってA評価取れるとは限らない。「頑張ったのに」という言葉を、ここ五、六年、生徒からよく聞くんですけど、頑張ったのにできないのは当たり前だからね(笑)人生では頑張ってもできないことのほうが多いので、頑張ってもできないかもしれんけど頑張るって面白いかもしれんなと思う方がはるかに大事だと思います。フィギュアスケーターの羽生結弦くんがよく言っていてね。「努力は裏切るけど無駄にはならない」ほら、効率と逆なの(笑)


間島先生:すごいな、あの年齢の子でよくそんな言葉出てくるな。


見島先生:受験でもなんでも、頑張れば必ず成功するなら誰でも頑張れるよね。結果が大事じゃないって言ってるんじゃないんですけど、必ずしも思った結果にならないことはなんぼでもある。けど、それは無駄にはならないという羽生くんの言葉で締めます。ずるいな私(笑)

こうき:さすがです。有難うございました。

SGH 【2016インタビューシリーズ2】志垣先生(HFL)・山田先生(数学科)

『インタビューシリーズ』はSGHガイドブックチーム(詳細はこちら)が
2016年12月にインタビューした内容を記事にしたものです。

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「関西学院千里国際(SIS)のSGHって何だろう?」
この問いに答えるために、結成したSGHガイドブックチーム。
第2回目はHFL科の志垣先生、数学科の山田先生からお話を聞くことにしました。

先生は普段どんな想いを大切にしながら授業しているの?

ふみか:SISは開校以来グローバルリーダーを育成する教育を行っていますが、先生達はそのような人材を育てるにあたってどういう事を意識しながら授業を行っていますか?


志垣先生:生活科学はその分野で進んでいく子はあまりいないので、便利な日本ゃなくて色んな場所に出ても、自分で生活ができるようにさせたいと思っています。自分である程度生活できないと、叶えたい夢がかなえられなくなるかなぁと思うので。最先端では応援できないけど、その力を出す支えというか、足元を支えてあげられたらなっとは思ってます。


ふみか:じゃあ数学の方はどうでしょうか?


山田先生思考力を鍛えるっていうことに重きを置いてやってきた歴史があるのかな。例えば開校して7,8年後から生徒全員に持たせてたグラフ電卓。日本の数学の教科書の問題とはちょっと違った、手計算では難しい問題
グラフ電卓で解かせるので思考力が鍛えられます。あとは生徒の解答を大事にする・引き出すというか、考えさせる時間をできるだけ作るようにしてますね。

写真:生徒が解答を発表している様子
ふみか:へえー。じゃあ生徒から答えを引出すためには具体的にどうやって?


山田先生:今話題のアクティブラーニングで、その種をまいて生徒たちに考えさせる。そういう所に主眼を置いてるかな。だから生徒達に解答を発表してもらったりしてる。


志垣先生数学の答えっていつも一個だけどそれにたどり着く道筋がいっぱいあるからすごい柔軟な思考に繋がるよね。




数学を勉強すると身に付く力とは?

山田先生:ほんとはね、演習的な授業があったらすごく数学が楽しいんだけど。で去年(2016年)、生徒数・開講クラスが増えて演習をいくつか閉じたんだ。それがすごい僕としては悔しい。


津高先生:やっぱり演習に数学の面白さが?

山田先生:やっぱりそうでしょう。教科書の内容をある程度理解することは大事だけど、やっぱり学んだ知識を使っていくつかの単元の融合問題を考えていくっていうのはやっぱり面白いし、新しい発見をするってなかなかレベルが高いことで。

ふみか:その演習は普通の授業と何が違うんですか?

山田先生:問題を解く。みんなで考える問題演習。例えば数1と数Aを取り終わったら、数1と数Aの自分が学んだ内容を使うような問題がある。与えられた知識を使い、どうやってその答えまでたどり着くか、解答のプロセスをしっかり訓練する。それって別の場面でも絶対使えると思うんだよね。例えばSGHでやってる論文。

ふみか:あぁー確かに。

山田先生:数学を勉強したっていうそのことが自分の言いたい結論を持っていくためには、どんなことを調べて、誰にインタビューして、それで集まったインタビューの内容から何が必要で、次何しないといけないかっていうことを考える事に数学は繋がってるんじゃないかと僕は思うんだよね。

ふみか:なるほどぉ。

山田先生:だから数学を勉強するってことはとっても論理的な思考力が鍛えられて、とっても人と話すときに有効だと思うんだよね。数学そのものは使わないけど、数学を使って考えてきた思考っていうのが他の場面に応用できる。

志垣先生:そう、道筋を考えるっていうのがね。

ふみか:私もリサーチ&フィールドワークを取ってた時にすごい数学の必要性を感じました。情報を分析する時も文字だけ考えるんじゃなくて、図にした方が頭の中で整理しやすかったし。


本当は言ったらダメだけど、データのごまかし方教えます(笑)
写真:授業中も笑いが絶えない山田先生
山田先生:言っちゃいかんと思うんだけど、データ分析でアンケートを作ったけど、それが自分の思うような結果が出なかったって場合もあるじゃん。でも見せ方でごまかすことが出来るわけ。


志垣先生:はははっ(笑)

山田先生:例えば一つの同じデータでも円グラフにして%で見せる場合と、積み上げ棒グラフにして数字で見せる場合で全然見た目・印象が違うからね。

ふみか:確かに!

山田先生:同じデータでもどんな風に相手に見せるかによって与える印象は違う。説得力持って話せたり、論文書けたりできるって意味では数学はとっても良いと思うから、履修した方が良いよ(笑)。
論文は感情だけ述べる感想文とは違うしね。

志垣先生:感情だけだと「主観やろー」っで終わっちゃう(笑)

山田先生:そうそう、そこでやっぱりちゃん裏付けのデータがあると人は一発で納得するので。


SISの授業や課題は大学での学びにも繋がる!
志垣先生:でも私達ってそういうの全然勉強してきてないからぁ、

山田先生:でもね、僕はここの卒業生でしょ、だから僕は比較文化とかで資料集めて分析して発表するっていうのをやってたので、大学生になった時にやっぱり楽やったね。

志垣先生:なんとなくアイデアがあるって感じやんねー感覚的に。

山田先生:そうそうそう、それはあったかも。

ふみか:じゃあSISの授業の課題をやる中で自然と自分で考える力とかがついてたということ?

山田先生:自分で考える力は多分数学の勉強とかだと思うんだけど、論文の書き方とか手法は知ってたので得というか楽だった。あと、英語の授業も受験英語に特化しないっていうのが多かったのがすごい良かった。大学で受けるような教育を在校中にたくさんやってきたので。


SGH科目は超大切!でもその大切さに気付くのは大人になってから⁈
ふみか:じゃあもし先生がSGH校に通ってたらどんな学校生活を送ってたと思いますか?在校生へのアドバイスでもOKです。

山田先生:もしアドバイスをって言われたら、ぜっっったい役に立つから、絶対にやってた方が良いよっていうのは言えるかも。

ふみか:その役に立つっていうのは?

山田先生:大学生や社会人になってからも多分同じようなことがあると思うんだ。1つ1つの教科ができるとか知識があるとか以上に、どんな題材が与えられてもどんな事をしなきゃいけない場合であっても、論文を書く、そのーなんて言うかな・・

志垣先生:プロセス。

山田先生:そうそう、それってやっぱり使えると思うんだよね。あとすべてのベースになってる学習が多分SGHプログラムだと思うので、生徒にアドバイスをするんだったら何よりも一生懸命取り組んでほしい科目が、知の探究であり、リサーチとフィールドスタディであり、課題研究論文かなって僕は思う。

志垣先生:私は高校の時、調べたり本読んだりは好きだったけど、それをどう次に繋げるかっていうの一切教えてもらってないから、ほんとはそれをどういう風にまとめたりとか次に繋げていくかを教えてもらえたら、すごい良かったやろうなって思う。でもそういうのを今SGHで教えてもらえるやん?

山田先生勉強の仕方の勉強だよね。

ふみか:活用しない手はないですね!

山田先生:でもそれは教員になって働き出したら「これってやっぱり

山田先生志垣先生:大事だよー」って

山田先生:いつも思うわけでー、

志垣先生:やっぱりねぇ、ははははははっ(笑)

ふみか:でも今いる在校生にも気づいてもらいたいですね(笑)

山田先生:そう。だから先へ進んだ自分が、こう上から見ると「あっほんとに大事なことなんだな」って今は心底わかるので。だから伝わらないかもしれないけど、今の在校生には大事にしてほしい授業だなぁと思う。
写真:HFLの調理実習の様子

山田先生:数学とかその分野に進んだら何か役に立つけど、進まなかったら数学そのものをあんまり使わなかったりするもんね。

志垣先生:そうですね。

山田先生:じゃあ何が残るかって言ったら数学的な思考が残る。で今回のSGHは全てのベースになるものだからどこに行っても多分使えるから大事。

津高先生:全てのベースになるという点はHFLと共通?

山田先生:そうだね。HFLは生きるためのベースになるスキルを学びますもんね。.....(笑)

志垣先生:はははははっ(笑)

ふみか:じゃあベースとスキル、片方かしか持っていなかったら、それを活用することは出来ないということですかね?

山田先生知識がない人は考えられないし、考え方知らない人はその知識があったって応用して考えろって言われたら考えられないわけで。

ふみか:あぁー、なるほど。


グローバルリーダーって何?先生自身はどんなグローバルリーダー?
ふみか:生徒をグローバルリーダーとして育てるために先生自身はどんなグローバルリーダーでありたいと思いますか?

山田先生:じゃあグローバルリーダーの定義は何?

津高先生:SGH的に言ってるのはグローバルリーダーってそのグローバル社会に住んでるだけでもうグローバルな課題とは切っても切り離せない個人になっていると思うんです。だからそういう社会に住んでて、グローバルな課題に関して専業主婦だったり、事務総長だったり、色んな立場から行動を起こしている人をグローバルリーダーって言って、それをそれぞれが持ってるグローバルリーダーシップだという風に考えています。

志垣先生:私はやっぱり偏見がないようになりたいなとは思いますね。色んな差別とか偏見とかあるじゃないですか。それは無意識のうちにどんどん身に付けていってるんだと思うんだけど、それがなるべくないように、公平に接するようにはなりたいなと思っていますね。

ふみか:あーーぁ。なるほど。

山田先生:世界で通用する、えーでも数学って世界で通用する思考力じゃないの?まあ数学だけじゃないけど。だから数学を教えてる事で貢献してるって事なのかな?あとは微力だけど誰もいない教室の電気や暖房を消したり。1人が1人が100%頑張ってもダメなんだけど、1000人が1%頑張るだけで効果は大きいわけで。そういう意識をみんなが持てれば良いと思うけどね。


生徒にどんなグローバルリーダーになってもらいたい?
ふみか:ではどんなグローバルリーダーを育てたいですか?
写真:生徒に優しく対応する志垣先生

志垣先生:何だろ。世界に出て行ってリーダーになれる人ってそれほど多くはないと思うし、全員が全員そうなる必要はないと思うんだけど、自分の与えられた場所で自分の力を発揮して気持ちよく生きていける、そんなある意味リーダーになって欲しいかな。

山田先生:自分の意見だけを感情で物言うのではなくてデータ収集をし、分析をし、きっちりとした論理展開を持って、発言をする中で世界を良いように変えていけるようなそういう人材かな。

ふみか:ああー。なるほど。すごい数学の要素も入ってますね。

山田先生:理系に進まない子達にも考え方をしっかりと身につけて、世界に貢献するためにどんな分野へ行っても、ちゃんと理論とかデータで裏付けられた根拠を持って政策とか改革が出来る人になってくれたら嬉しいなって思います。

志垣先生:でもなんか「世界」と言うと少しかけ離れた世界とイメージするけど、身の周りも世界だから、このちっちゃな世界とかい離したリーダーになっても意味がないかなーと思う。まず自分のちっちゃな世界の繋がりを大切にしてほしいな。

山田先生:グローバルよりもソーシャルが先かもよ。

志垣先生:そうね、こう世界と、繋がってるのかって分かって欲しい気がする。


ふみか:なるほど。滅多に聞けないHFL×(かける)数学のお話はとても興味深く、面白かったです。
先生達の思い、そしてSGH授業の大切さが今回のインタビューを通してSIS生に伝わりますように。
ありがとうございました!