KGオールスターキャンプに参加しました


この夏休み、KGオールスターキャンプに参加しました。関西学院高等学校、啓明学院高等学校、帝塚山学院高等学校、そしてSISの計4校から62人の高校生が参加しました。2泊3日のキャンプで、「仕事」、「教育格差」、「住み続けられるまちづくり」、「情報化社会」、「家族観」のテーマのうち1つを選び、ディスカッションに参加しました。僕は教育格差をテーマに選びました。理由は、テレビで、日本国内でも貧困のために教育に専念することができない学生が増加傾向にあることを知り、僕と同年代の高校生がこの問題をどう考えているのか興味があったからです。

1日目、6人のディスカッショングループに別れ、アイスブレーク・アクティビティをした後、ディスカッションを始めました。始めは、1円玉の大きさを当てるゲームを行い、とても盛り上がりました。「これくらいだよ!」や「あ、ぴったりじゃん!」などといった言葉が部屋を飛び交い、チームが打ち解けました。しかし、本題の教育格差についてのディスカッションになると、急にその雰囲気が薄れました。原因は、皆の視点や問題が全くバラバラであることが明らかになったからです。メンバーの1人は「シリアなどの戦争や紛争に巻き込まれた民間人が教育を必要としている」と指摘したのに対し、もう1人は、自身が実際に行ったミャンマーの小学校での教材の乏しさを改善したいと訴えました。僕は、前に述べたように、日本国内における貧困が引き起こす教育格差について皆の意見を聞きたいと思っていました。お互いにこれほど異なったことを考えているとは想像していなかったのでどうすればいいのか迷いました。そんな中、なんとか全てを網羅するある程度具体的な共通点を見つけ出そうと、議論を重ねました。結局たどり着いた問題は、「日本に住む日本語をうまく話せない小学生が学校生活に馴染みにくい」という問題です。やっと議論の準備が整ったと思ったら、もう1日目のディスカッション時間が終わってしまいました。その日は夕方からバーベキューをして、チーム同士でまた1つになったのを実感しましたが、火おこしでとても疲れたのか、皆思ったより箸が進みませんでした。

2日目は、1日のほぼ全てがディスカッションに当てられました。在日外国人についての予備知識が乏しかった僕たちは、リサーチを進めながら、具体的な問題を付箋に書き出して机に貼り出していきました。僕は、SISの比較文化の授業で配られた教材の中に、在日外国人が直面する問題について漫画形式で説明している本があったので、それから得た知識もできるだけ盛り込みました。そして、それら問題に対して、一つずつ解決策を考えていきました。また、問題も、どれがどれを引き起こしている、といった因果関係が見えるもの同士を結んでいきました。ここで、昼食休憩とクイズ大会を挟んで、頭をリフレッシュしました。午後は、これまでのディスカッションの内容をホワイトボードに整理し、発表用のポスター制作に取り掛かりました。休憩を挟んだり、入浴後から消灯までの時間を費やしたりして、ギリギリでポスター完成にこじつけました。

3日目の午前にポスター発表があり、全10班が先生方を含むキャンプ参加者全員の前で発表しました。僕は、残念ながら体調不良のため、すべてのプレゼンテーションを見ることはできませんでしたが、どのチームも具体的な内容をわかりやすく発表していたので、とても参考になりました。特に、家族観について議論していたチームの、学童と子ども食堂を一体化したサービスを提案していたプレゼンが印象に残っています。

また、ここには書ききれませんでしたが、毎朝チャペルでプロテスタント系の礼拝を体験できたり、他の学校の生徒と交流したり、新鮮な経験を積める良い機会が他にも沢山あります。皆さんも、是非来年の夏、参加してみてください。
(SIS 11年 東 忠透)